イベント

第2回「境界要素法」講習会

2025年5月21日 1:00 PM – 4:00 PM

土木学会応用力学委員会「計算力学×α小委員会」主催で，第2回「境界要素法」講習会を開催します．本講習会は2024年3月に開催された「境界要素法」講習会からの継続企画です．境界要素法は，無限領域を厳密に取り扱うことができるという特徴があり，開空間が対象となるような音響問題，波動問題などに多く用いられております．今回の講習会では，境界要素法の得意とする波動問題の定式化，境界要素法の理解の壁となることの多い境界積分方程式の特異性の取扱いや実装における注意点などについて講義します．また，サンプルプログラムおよびソフトウェアを用いた境界要素法の実装例を紹介いたします．参加者は，2024年3月開催の「境界要素法」講習会および本講習会の動画のオンデマンド視聴が期間限定で可能となります．

日時：2025年5月21日13:00～16:00

場所：オンライン開催（事前登録制）

参加費：無料

CPD：準備中

参加登録

<土木学会イベントページ> https://www.jsce.or.jp/events

<講習会申込みページ> https://www.jsce.or.jp/events/form/532503

(1) 13:00～14:30

タイトル：波動問題に対する境界要素法の基礎

講師：丸山泰蔵（東京科学大学）

内容：境界要素法が得意とする無限領域中での波動問題について基礎の解説を行う．特に周波数領域での解析を想定して，最も単純な方程式であるHelmholtz方程式に対する境界要素法の説明を行う．表現定理，境界積分方程式といった基本的な定式化，選点法と区分一定関数を組み合わせた最も基礎的な離散化について詳しく解説する．さらに境界要素法による数値計算で重要となる特異積分の扱いについても説明する．最後に補足情報として実際に境界要素法を用いて境界値問題を解く場合に留意すべきこととして，見かけの固有周波数問題，形状関数の設定方法について説明する．

(2) 14:40～15:10

タイトル：サンプルプログラムを用いた境界要素法の実装例・更なる勉強のために

講師：古川陽（北海道大学）

内容： Helmholtz方程式に対する境界要素法について，Pythonによるサンプルプログラムを用いた実装例を紹介する．サンプルプログラムを用いたデモンストレーションを通して，(1)で学んだ内容の理解を深める．また，境界要素法を更に勉強するための情報提供を行う．

(3) 15:20～16:00

タイトル：フリーソフトウェアFreeFEMによる境界要素法のデモンストレーション

講師：松本安弘（東京科学大学）

内容：Helmholtz方程式の境界値問題(音響散乱問題等)で記述される波動散乱問題を境界要素法で計算しようとするとき，FreeFEMに備わる境界要素法機能の利用は有力な選択肢の1つである．FreeFEMは有限要素法に特化したドメイン固有言語を用いる数値計算ソフトウェアであるが，Laplace方程式，Helmholtz方程式，Maxwell方程式向けの境界要素法も実装されている．例えば弾性体–音響のカップリング問題を弾性体部分を有限要素法で，外部の音響散乱を境界要素法で定式化するなどの高度な手法にも対応できる．本デモンストレーションでは，波動散乱問題を，いくつかの簡単な境界条件のもとでFreeFEMの境界要素法機能を利用して解く流れを解説する．FreeFEMのドメイン固有言語(スクリプト)はある程度直感的であるため，本デモの使用スクリプトを「見よう見まね」で編集し自身の解きたい問題へ適用することが可能である．