研究小委員会
応用力学委員会では,様々な応用力学に関する研究を進めるために,特に以下のような研究小委員会を設けています
- 応用力学を基盤とする土木情報システムの設計開発の方法論に関する研究小委員会
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国交省が進めるi-Construction 2.0が象徴するように,建設産業の生産性向上のためには,さまざまな業務の自動化を実現する土木情報システムは必須である.多種多様な構造物の企画から維持管理を網羅するためには,汎用的な情報システムの利用ではなく,多様性が極めて高い土木構造物群の特性を考慮して研究開発される情報システムの利用が望まれる. 上記を背景に,本小委員会は,土木情報システムの設計開発の方法論を検討する.この検討では応用力学の理論体系を参考とする.多様な材料・形状の構造物を対象としつつ,共通する基盤理論と,個々の材料・形状に特化した理論から構成される応用力学の理論体系は,多様性が極めて高い土木構造物群を対象とする情報システムの設計開発の方法論に適している.さらに,応用力学の分野では,多数の研究者が数値解析手法の研究開発を行っている.その経験や知見は情報システムの方法論の確立にも貢献すると期待できる. 本小委員会では,情報システムの設計・開発を構想できる人材の育成に必要な教材作成を目標とする.陳腐化を避けると同時に長期にわたって一貫性を保つため,情報システムの設計・開発に関する技術・学術を体系化した上で,その基盤と先端の知識を盛り込む.
委員名簿
委員長・幹事
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委員長
堀 宗朗
JAMSTEC/東京大学
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幹事長
亀田 敏弘
筑波大学
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- 計算力学×α小委員会
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数値シミュレーションにより力学現象を解明しようとする「計算力学」は理論力学・実験力学と並び,工学分野において欠かせない学問分野として成熟してきました.前身の「計算力学小委員会」は,土木分野への計算力学の導入およびその普及に関して多大な成果を残し,中でも委員会成果を書籍としてまとめた「いまさら聞けない計算力学の常識(2008年出版)」,「いまさら聞けない計算力学の定石(2020年出版)」は土木分野に限らず,理工学分野全般における計算力学のバイブルとして利用されています.計算力学小委員会は設立から20年以上が経過し,導入と普及といった当初の役割は完了し,新たなフェーズへと移行している段階です.たとえば,ハードウェアの規模や性能を考慮した計算アルゴリズムの構築,あるいは深層学習やAIといったデータ駆動型科学との融合を図ることで,様々な自然現象や社会現象に応用されています.
このような背景から2021年4月に新たに「計算力学×α」小員会が設立され,成熟してきた計算力学の技術をベースとし,データサイエンス・コンピューテーショナルサイエンスなどの新たな分野との融合を図りながら,土木分野での新しい展開を目指す活動を行っています.
様々な分野の委員から構成されている応用力学の特徴を生かし,各委員の専門分野の手法にとらわれることなく普遍的な手法に対する理解を深めつつ,また計算力学をベースとした時流に沿った新たな技術を開発し未解決の問題を解決するための議論の場を提供します.
主な活動内容
計算力学×α小委員会は,以下に示す4つのMissionをもとに活動を行います.
- M-1
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計算力学およびAI・データサイエンス研究分野の発展と応用展開
計算力学およびAI・データサイエンス研究分野の発展に寄与し,それらを社会に還元すべく「×コンピューテーショナルサイエンス」,「×3Dものづくり」,「×NDE4.0維持管理」などへ展開することに貢献する.
- M-2
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計算力学に関する勉強会の開催
計算力学に関するチュートリアルな勉強会を開催し,若手研究者,学生の基礎知識やスキル向上に貢献する.
- M-3
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若手研究者のキャリアパス支援
若手研究者を講師とする講演会を行うとともに人脈形成も含め,当該分野におけるキャリアパスをサポートする.
- M-4
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海外・国内研究者,企業エンジニアとの連携
海外・国内研究者,企業エンジニアとの連携を図るための一環として,応用力学委員会と連携し,Applied Mechanics Frontiers (AMF)を開催する.
委員の募集
本小委員会に参加を希望される方は,氏名,所属,連絡先(住所,TEL,FAX,E-mailアドレス)を明記して,E-mailにて下記の委員会幹事宛てお申し込み下さい. なお,活動期間は1期あたり2年としますが,前身の計算力学小委員会と同様に,時流に沿ったテーマへと変更しながら長期での活動を予定しています.
申込先:高瀬 慎介(八戸工業大学)
E-mail: takase【@】hi-tech.ac.jp ※ 上記アドレスの【@】を半角英数字のアットマーク @ に翻訳して下さい.
委員名簿
委員長・幹事
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委員長
加藤 準治
名古屋大学
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幹事長
高瀬 慎介
八戸工業大学
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幹事
宮本 崇
山梨大学
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幹事
古川 陽
北海道大学
会員
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委員浅井 光輝九州大学
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委員石井 建樹木更津工業高等専門学校
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委員市村 強東京大学
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委員牛島 省京都大学
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委員生出 佳㈱メカニカルデザイン
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委員岡澤 重信山梨大学
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委員小國 健二海洋研究開発機構
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委員奥村 弘富山大学
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委員樫山 和男中央大学
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委員木本 和志岡山大学
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委員車谷 麻緒茨城大学
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委員紅露 一寛新潟大学
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委員斉木 功東北大学
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委員西藤 潤京都大学
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委員斎藤 隆泰群馬大学
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委員田中 聖三広島工業大学
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委員辻 勲平東北大学
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委員堤 成一郎大阪大学
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委員寺田 賢二郎東北大学
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委員富山 潤琉球大学
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委員鳥生 大祐京都大学
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委員西口 浩司名古屋大学
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委員野島 和也日本工営(株)
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委員長谷川 俊昭General Electric International, Inc.
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委員長谷部 寛日本大学
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委員林 克弘㈱オリエンタルコンサルタンツ
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委員廣瀬 壮一東京工業大学
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委員藤田 航平東京大学
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委員古川 愛子京都大学
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委員干場 大也名古屋大学
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委員松本 純一(独)産業技術総合研究所
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委員松本 安弘東京工業大学
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委員丸山 泰蔵東京工業大学
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委員森口 周二東北大学
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委員山川 優樹東北大学
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委員山本 佳士法政大学
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委員渡邉 大貴名古屋大学
トピックス
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2024年11月26日
土木学会応用力学委員会「計算力学×α小委員会」 「土木工学における点群データの活用とその展望」に関する合同セミナー が2024年11月26日に開催されます.
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2024年3月11日
「境界要素法」講習会が2024年3月11日に開催されます.
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2023年1月24日
土木学会応用力学委員会「計算力学×α小委員会」および(公財)科学技術交流財団 第3回「建設技術のデジタル革新の活用に関する研究会」の合同セミナーが2023年1月24日(火)13:15~17:00に開催されます.
活動報告
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2021年11月14日
- 土木分野の数値解析におけるV&Vに関する小委員会
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種々の設計時に数値計算を援用する実務者には,目前の技術課題に対して迅速かつ精確に工学現象をモデル化し,分析し,評価できることが求められています.一般的には,この目的達成のために商用ソフトウェアを解析ツールとして使用することが多いと思われます.しかし,その理論や詳細な機能についてユーザーは十分な理解のないまま利用している場合があると考えられます.このため,対象とする問題に対して,解析ツールの性能・特性が十分に検証されているのか(Verification),また,工学的利用目的に対して妥当な解析結果が得られているのか(Validation)を確認しないまま解析ツールを利用している可能性も否定できません.実際に,解析方法や結果評価に対してエンジニアが重大なミスを犯し,開発・設計に大きな影響が出た事例も報告されています.
このような状況下において,V&V(Verification & Validation)に如何に取り組むかは,産業界にとって最も重要なテーマの一つです.V&Vに関する取り組みは機械分野・原子力分野では積極的に議論されていますが,地盤・コンクリートなどの土木分野特有の材料を対象としたV&Vについてはまだその方向性が確立されておらず,信頼性の高い数値解析が実施されていることを確認する方法論がありません.そこで,本小委員会では先行している分野の成果を参照しつつ,地盤・鋼・コンクリート・流体など土木分野の材料ごとに必要となるV&Vの具体的な実施方法をまとめて,数値解析の信頼性向上を図ることを目的とします.具体的な活動項目は次のとおりです.
(1) 国内外の関連分野のV&Vの動向調査と分析
(2) 各材料分野における数値解析の信頼性の現状調査と分析
(3) 各材料分野におけるV&Vの具体的な実施方法の検討
- WG1
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地盤WG【WG長:中井 健太郎(名古屋大学大学院)】
- WG2
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コンクリートWG【WG長:車谷 麻緒(茨城大学大学院)】
- WG3
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不確かさWG【WG長:西尾 真由子(筑波大学)】
委員名簿
委員長・幹事
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委員長
櫻井 英行
清水建設技術研究所
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副委員長
森口 周二
東北大学
- データ駆動型の信頼性設計およびリスク評価実装研究小委員会
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委員名簿
委員長・幹事
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委員長
大竹 雄
東北大学准教授
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- 環境・エネルギー・防災の流体力学研究小委員会
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最近日本各地で,津波,台風,洪水氾濫,地滑り,土石流といった大規模な災害が頻発していますが,世界的な気候変動との関連が指摘されています.また環境・エネルギー問題への関心も高まり,再生可能エネルギーの技術開発が急ピッチで進んでいます.これらの防災,環境,エネルギーのトピックスには,水や空気などの流体の動きが深く関わっています.したがって,SDGsを達成する国土強靭化のためには,流体力学的なアプローチが必要と考えます. 本小委員会では,「環境」・「エネルギー」・「防災」の3つの柱それぞれについて,関連する流体現象の最先端研究の調査・検討を行い,定期的に研究フォーラムや基礎講習会を企画します.さらに,災害に強く持続可能な社会の実現に向けて,他分野との学際テーマにも積極的に取り組みます.
委員名簿
委員長・幹事
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委員長
山上 路生
京都大学准教授
トピックス
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2022年12月13日土木学会 応用力学委員会 環境・エネルギー・防災の流体研究小委員会 および関西地区主催の合同フォーラム「
災害時における流体と構造物の干渉メカニズム」 が2022年12月13日,13時~ 15時50分に開催されます.
災害時における流体と構造物の干渉メカニズム
活動報告
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2022年10月27日
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