土木学会応用力学委員会 APPLIED MECHANICS COMMITTEE,JSCE 公益社団法人 土木学会

研究小委員会

応用力学委員会では,様々な応用力学に関する研究を進めるために,特に以下のような研究小委員会を設けています

計算力学×α小委員会

数値シミュレーションにより力学現象を解明しようとする「計算力学」は理論力学・実験力学と並び,工学分野において欠かせない学問分野として成熟してきました.前身の「計算力学小委員会」は,土木分野への計算力学の導入およびその普及に関して多大な成果を残し,中でも委員会成果を書籍としてまとめた「いまさら聞けない計算力学の常識(2008年出版)」,「いまさら聞けない計算力学の定石(2020年出版)」は土木分野に限らず,理工学分野全般における計算力学のバイブルとして利用されています.計算力学小委員会は設立から20年以上が経過し,導入と普及といった当初の役割は完了し,新たなフェーズへと移行している段階です.たとえば,ハードウェアの規模や性能を考慮した計算アルゴリズムの構築,あるいは深層学習やAIといったデータ駆動型科学との融合を図ることで,様々な自然現象や社会現象に応用されています.

このような背景から2021年4月に新たに「計算力学×α」小員会が設立され,成熟してきた計算力学の技術をベースとし,データサイエンス・コンピューテーショナルサイエンスなどの新たな分野との融合を図りながら,土木分野での新しい展開を目指す活動を行っています.

様々な分野の委員から構成されている応用力学の特徴を生かし,各委員の専門分野の手法にとらわれることなく普遍的な手法に対する理解を深めつつ,また計算力学をベースとした時流に沿った新たな技術を開発し未解決の問題を解決するための議論の場を提供します.

主な活動内容

計算力学×α小委員会は,以下に示す4つのMissionをもとに活動を行います.

M-1

計算力学およびAI・データサイエンス研究分野の発展と応用展開

計算力学およびAI・データサイエンス研究分野の発展に寄与し,それらを社会に還元すべく「×コンピューテーショナルサイエンス」,「×3Dものづくり」,「×NDE4.0維持管理」などへ展開することに貢献する.

M-2

計算力学に関する勉強会の開催

計算力学に関するチュートリアルな勉強会を開催し,若手研究者,学生の基礎知識やスキル向上に貢献する.

M-3

若手研究者のキャリアパス支援

若手研究者を講師とする講演会を行うとともに人脈形成も含め,当該分野におけるキャリアパスをサポートする.

M-4

海外・国内研究者,企業エンジニアとの連携

海外・国内研究者,企業エンジニアとの連携を図るための一環として,応用力学委員会と連携し,Applied Mechanics Frontiers (AMF)を開催する.

委員の募集

本小委員会に参加を希望される方は,氏名,所属,連絡先(住所,TEL,FAX,E-mailアドレス)を明記して,E-mailにて下記の委員会幹事宛てお申し込み下さい. なお,活動期間は1期あたり2年としますが,前身の計算力学小委員会と同様に,時流に沿ったテーマへと変更しながら長期での活動を予定しています.

申込先:高瀬 慎介(八戸工業大学)
E-mail: takase【@】hi-tech.ac.jp ※ 上記アドレスの【@】を半角英数字のアットマーク @ に翻訳して下さい.

委員名簿

委員長・幹事

  • 委員長

    加藤 準治

    名古屋大学

  • 幹事長

    高瀬 慎介

    八戸工業大学

  • 幹事

    宮本 崇

    山梨大学

  • 幹事

    古川 陽

    北海道大学

会員

  • 委員
    浅井 光輝
    九州大学
  • 委員
    石井 建樹
    木更津工業高等専門学校
  • 委員
    市村 強
    東京大学
  • 委員
    牛島 省
    京都大学
  • 委員
    生出 佳
    ㈱メカニカルデザイン
  • 委員
    岡澤 重信
    山梨大学
  • 委員
    小國 健二
    海洋研究開発機構
  • 委員
    奥村 弘
    富山大学
  • 委員
    樫山 和男
    中央大学
  • 委員
    木本 和志
    岡山大学
  • 委員
    車谷 麻緒
    茨城大学
  • 委員
    紅露 一寛
    新潟大学
  • 委員
    斉木 功
    東北大学
  • 委員
    西藤 潤
    京都大学
  • 委員
    斎藤 隆泰
    群馬大学
  • 委員
    田中 聖三
    広島工業大学
  • 委員
    辻 勲平
    東北大学
  • 委員
    堤 成一郎
    大阪大学
  • 委員
    寺田 賢二郎
    東北大学
  • 委員
    富山 潤
    琉球大学
  • 委員
    鳥生 大祐
    京都大学
  • 委員
    西口 浩司
    名古屋大学
  • 委員
    野島 和也
    日本工営(株)
  • 委員
    長谷川 俊昭
    General Electric International, Inc.
  • 委員
    長谷部 寛
    日本大学
  • 委員
    林 克弘
    ㈱オリエンタルコンサルタンツ
  • 委員
    廣瀬 壮一
    東京工業大学
  • 委員
    藤田 航平
    東京大学
  • 委員
    古川 愛子
    京都大学
  • 委員
    干場 大也
    名古屋大学
  • 委員
    松本 純一
    (独)産業技術総合研究所
  • 委員
    松本 安弘
    東京工業大学
  • 委員
    丸山 泰蔵
    東京工業大学
  • 委員
    森口 周二
    東北大学
  • 委員
    山川 優樹
    東北大学
  • 委員
    山本 佳士
    法政大学
  • 委員
    渡邉 大貴
    名古屋大学

トピックス

活動報告

計算力学小委員会HP
土木分野の数値解析におけるV&Vに関する小委員会

種々の設計時に数値計算を援用する実務者には,目前の技術課題に対して迅速かつ精確に工学現象をモデル化し,分析し,評価できることが求められています.一般的には,この目的達成のために商用ソフトウェアを解析ツールとして使用することが多いと思われます.しかし,その理論や詳細な機能についてユーザーは十分な理解のないまま利用している場合があると考えられます.このため,対象とする問題に対して,解析ツールの性能・特性が十分に検証されているのか(Verification),また,工学的利用目的に対して妥当な解析結果が得られているのか(Validation)を確認しないまま解析ツールを利用している可能性も否定できません.実際に,解析方法や結果評価に対してエンジニアが重大なミスを犯し,開発・設計に大きな影響が出た事例も報告されています.

このような状況下において,V&V(Verification & Validation)に如何に取り組むかは,産業界にとって最も重要なテーマの一つです.V&Vに関する取り組みは機械分野・原子力分野では積極的に議論されていますが,地盤・コンクリートなどの土木分野特有の材料を対象としたV&Vについてはまだその方向性が確立されておらず,信頼性の高い数値解析が実施されていることを確認する方法論がありません.そこで,本小委員会では先行している分野の成果を参照しつつ,地盤・鋼・コンクリート・流体など土木分野の材料ごとに必要となるV&Vの具体的な実施方法をまとめて,数値解析の信頼性向上を図ることを目的とします.具体的な活動項目は次のとおりです.

(1) 国内外の関連分野のV&Vの動向調査と分析

(2) 各材料分野における数値解析の信頼性の現状調査と分析

(3) 各材料分野におけるV&Vの具体的な実施方法の検討

WG1

地盤WG【WG長:中井 健太郎(名古屋大学大学院)】

WG2

コンクリートWG【WG長:車谷 麻緒(茨城大学大学院)】

WG3

不確かさWG【WG長:西尾 真由子(筑波大学)】

委員名簿

委員長・幹事

  • 委員長

    櫻井 英行

    清水建設技術研究所

  • 副委員長

    森口 周二

    東北大学

土木分野の数値解析におけるV&Vに関する小委員会
データ駆動型の信頼性設計およびリスク評価実装研究小委員会

委員名簿

委員長・幹事

  • 委員長

    大竹 雄

    東北大学准教授

環境・エネルギー・防災の流体力学研究小委員会

開水路乱流場の気液界面における界面発散と界面ガスフラックスの関係

最近日本各地で,津波,台風,洪水氾濫,地滑り,土石流といった大規模な災害が頻発していますが,世界的な気候変動との関連が指摘されています.また環境・エネルギー問題への関心も高まり,再生可能エネルギーの技術開発が急ピッチで進んでいます.これらの防災,環境,エネルギーのトピックスには,水や空気などの流体の動きが深く関わっています.したがって,SDGsを達成する国土強靭化のためには,流体力学的なアプローチが必要と考えます.  本小委員会では,「環境」・「エネルギー」・「防災」の3つの柱それぞれについて,関連する流体現象の最先端研究の調査・検討を行い,定期的に研究フォーラムや基礎講習会を企画します.さらに,災害に強く持続可能な社会の実現に向けて,他分野との学際テーマにも積極的に取り組みます.

委員名簿

委員長・幹事

  • 委員長

    山上 路生

    京都大学准教授

トピックス

  • 2022年12月13日
    土木学会 応用力学委員会 環境・エネルギー・防災の流体研究小委員会 および関西地区主催の合同フォーラム「災害時における流体と構造物の干渉メカニズム」が2022年12月13日,13時~15時50分に開催されます.
    災害時における流体と構造物の干渉メカニズム

活動報告